僕が子どものとき、3時のおやつという風習が無かった。保育園に通っていた時に、半分のバナナがおやつの時間で出た事は覚えているが、それ以降おやつの時間という概念に遭遇したことが無かった。
母親の買い物についていく際も、お菓子をねだると「他所は他所、ウチはウチ。」と手に持ったお菓子をスパッと叩き落されていた。
そんな事もあって、保育園から小学生にかけておやつと称して梅干しの種をガリガリと噛んで過ごしていた。
梅干しの種はガリガリ噛んでいると、中から梅干しのエキスみたいなものが滲み出てくる。朝に食べた梅干しの種を木製のお菓子皿に溜めておいて、保育園から帰ったらガリガリと梅干しの種を噛みながらスマブラをするのが僕の保育園生活だった。
小学生になってからは惨めったらしい事を止め、こっそりと味付け海苔やスライスチーズを一枚だけ拝借して、ねぶる様に食べていた。
先日バイト先のお姉さんに、3時のおやつを買ってもらった。
おほしさまのチキンオムライス味だ。
この大きなオムライスは、三ツ星レストランに捉えられていた流れ星をちいかわとハチワレが助けたお礼に流れ星から貰ったオムライスだ。
これって、3時の・・・おやつ・・・だよね。と言いながらベビースターを開封する。
僕は食べ方から苦戦した。まずは口に袋を当てて見た。
ガーッてさ、口に袋を当てると勿体ないよね。
口から袋を離し、指を突っ込んだ。
ひとつまみだけ・・・
指に10本程ベビースターを摘んだ。
僕「これさぁ・・・『藁』じゃない?クスクス」
お姉さん「え〜。クスクス」
なんて出来たら。と暗いバックルームで一人でベビースターを食べていると、休憩が終わった。
結局チマチマと指で摘んで食べていたせいで、バイト中に食べきれなかったので、家に持ち帰って一口で食べきった。
「口の中・・・ズタズタ・・・かも。」