夕方にジメジメした空気を感じながら商店街を歩いていると、急な夕立に降られたのですぐにお店の軒下に入り、雨宿りをさせてもらった。
舌打ちをしながら、スマホで雨雲レーダーを見るとすぐに止みそうな雲の流れだったし、そう対して急いでいるわけでも無かったので、しばらくそこにいることに決めた。
スマホの通信量が過ぎてしまったので、ダウンロード済みの同人誌を眺めていると、雨脚はどんどん強まっていき、コンクリートで跳ねた大粒の雨が靴を濡らした。我ながら久しぶりに正解の選択肢を取れたな。と思った。
着ているワイシャツ以外がクリーニング中だったのが功を奏したのだ。僕は少しだけ愉悦に浸りながら手に持ったアイスコーヒーを飲み干した。
そんな中、勝ち誇った表情で同人誌をめくっていると急にスマホの電源が切れた。黒くなった画面に、驚いた自分の顔が反射していた。
それとほぼ同時に肩に暖かい温度を感じた。顔を上げると雨はもう病んでおり、巨大な太陽が僕の身体を暖めてくれていた。
同人誌と太陽が同時に“顔上げろよ!”と背中を押してくれたのかもしれない。頭より先に、水たまりを踏みながら加速する僕の身体は、僕の理解を超えるスピードでコンビニに入って行き、電気代をすぐに支払っていた。
外に出た僕は、清々しいほどに晴れた空に向かって、今月の電気代のヤバさを叫びだしそうになっていた。
Twitter
https://twitter.com/hikizurinabe?t=XwIvUBKvTMB8Zip9V84B2A&s=09
番組 #ヒキズリ鍋の火加減いかがですか‼︎! #Radiotalk @hikizuri7be https://radiotalk.jp/program/107604