羽毛布団「死門！開！！」

コインランドリーに羽毛布団を出した。　

羽毛布団「俺、シャワー浴びるから。」

深川柚貴「うん。」

洗濯乾燥機にかかったこの人を抱きしめたらどんなに気持ちがいいんだろう。

耳を紅に染めた柚貴は座った目で、グルグルと回る洗濯槽を取り憑かれた様に眺めている。幾度となく重ねたであろうマンネリの日々は、今や記憶の遥か隅に追いやっていた。

60.50.40

表示されたタイマーが柚貴を焦らした。　

30.20.10

疼く体と本能が唇を艶っぽく舌で濡らした。

3.2.1

羽毛布団は凍える柚貴に温もりをくれた。穏やかな夜をくれた。そして、初恋をくれた。

柚貴「0、ぜ！？え！cd？！何だ、おい！cdってなんだ！取り敢えず、検索・・・」

Ｇ　コインランドリー　cd　は？何これ？

コインランドリーのcdとは「クールダウン」のこと。

乾燥機を使って温まってしまった洗濯物を冷やしてくれているのです。

cdという表示がされたら、あと5～10分もすれば乾燥終了ということ。

柚貴は洗濯乾燥機の扉を勢いよく開いた！

まるでシューマイが入った蒸し器のように、むせ返る程の熱気が柚貴の気管を攻めたてた。

意にも返さず柚貴が羽毛布団を手に入れると、あんなにも優しく包み込んでくれた彼は既に、触れない程の熱に滾りまくっていた。

え！全身のチャクラが心臓に向かっている！？

やめて！

熱っ！あ、でもフワフワ。

羽毛布団「…」

死んだ。

今は死門を開いて死んだ羽毛布団を被って寝ている。良い匂いだ〜

番組 #ヒキズリ鍋の火加減いかがですか‼︎! #Radiotalk @hikizuri7be https://radiotalk.jp/program/107604

ヒキズる日記